2026年5月10日
副院長の学術論文(症例報告)が、海外の英文学術誌に掲載されました。
今回報告したのは、「冠微小循環障害(かんびしょうじゅんかんしょうがい)」という病
気が、心不全の悪化や改善に深く関わっていたと考えられる症例です。
冠微小循環障害とは、心臓の表面を走る太い血管ではなく、心筋の中に張り巡らされてい
る非常に細い血管(微小血管)の働きが悪くなる状態です。通常の心臓カテーテル検査で
は見つかりにくいため、「見逃されやすい狭心症」の原因として注目されています。最近
では、この冠微小循環障害が、狭心症だけでなく心不全にも関係していることが、さまざ
まな研究で明らかになってきました。
今回の症例では、心臓カテーテル検査の際に冠微小血管の機能を詳しく調べることで、実
際に冠微小循環障害が存在することを確認しました。さらに、心不全に対する薬物治療を
強化した結果、症状の改善だけでなく、冠微小循環障害そのものの改善も確認することが
できました。
現在、冠微小循環障害に対して有効と期待される薬剤について、多くの研究が進められて
います。しかし、まだ十分に確立された治療法は少なく、世界中で臨床研究が続けられて
いる段階です。今回の症例報告は、そのような新しい治療の可能性を示す貴重な経験であ
ると考えています。
当院では、患者様お一人おひとりを丁寧に診療しながら、日々の診療の中から新しい学び
を積み重ね、将来の医療の発展につながるよう努めてまいります。
なお、論文には当院名も掲載されています。
