2026年6月15日

副院長が心筋ブリッジの新たな診断方法について学術誌に報告しました。
(JACC:Case Reports,Archives,Vol31 No.19,2026 )
「心筋ブリッジ」という言葉は、あまり聞き慣れないかもしれません。
通常、心臓の筋肉に酸素や栄養を送る血管(冠動脈)は、心臓の表面を走っています。
しかし一部の方では、冠動脈の一部が心臓の筋肉の中を“トンネル”のように通っているこ
とがあります。これを「心筋ブリッジ」と呼びます。
心臓CTでは20〜30%程度の方にみられる比較的よくある構造で、以前は「特に問題のな
いもの」と考えられていました。しかし近年の研究により、心筋ブリッジが胸の痛みの原
因になることが分かってきています。
特に、冠動脈に強い狭窄(動脈硬化による詰まり)がないにもかかわらず胸痛を起こす「
非閉塞性冠動脈疾患」と深く関係していることが注目されています。
例えば、
◆安静時に胸痛が起こる方では、心筋ブリッジが冠動脈のけいれん(冠攣縮)を引き
起こしている可能性
◆ 運動時に胸痛が起こる方では、心臓が収縮するたびにトンネル部分の血管が圧迫さ
れ、血流が低下している可能性
などが考えられます。このような心筋ブリッジの影響を詳しく調べるためには、カテーテ
ル検査による精密な評価が必要になります。
今回、カテーテル検査中に「プレッシャーワイヤー」という特殊な細いワイヤーを用いて
冠動脈内の心電図変化を詳細に記録し、心筋ブリッジの影響をより正確に評価する新たな
診断方法を考案しました。また、この研究成果を今回学術誌に報告いたしました。
今後も、胸痛でお困りの患者様の診療に少しでも貢献できるよう努めてまいります。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

